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薬局業界の変化に合わせた地域薬局の運営
付加価値のある調剤薬局に向けた薬剤師集団を目指す

株式会社どんぐり(静岡県)
代表取締役:小坂和宏

本社:静岡県 出店エリア:静岡県 店舗数:1店舗
創業:2004年 従業員数:10名

  • 通年採用
  • 国試後採用
  • 浪人生

製薬企業のMRを経験し、転機が訪れた時に、現在の店舗の立ち上げのきっかけとなった医師との出逢いから保険調剤薬局を開業し15年。地元地域の皆様に還元することを考えて、外来受付からスタート。現在では、居宅と施設を合わせて100名近くの在宅患者様の対応をするまでに至る。薬局ができることは未知数だと感じているが、これから先のことを考えると大切なのは、私と同じ感性をもった「人」だと感じている。

小坂社長に、これまでの経緯とこれからのことを聴いてみた。

薬剤師として活躍に至るまでの経緯

徳島文理大学を卒業し、当時はまだまだ調剤薬局やドラッグストアの就職先が無かった時代だったため、医療機関への就職ではなく製薬企業を選択。薬学部を選択した理由は、幼少時代の病気を患ったことがきっかけだったが、就職先は製薬企業。キャリアを積むたびに、仕事に対する気持ちも変わり、やっていきたいことも変わっていき、現在の薬局を運営するまでに至っている。

  • 製薬企業のMRの仕事は楽しかったですか?

    MRの仕事は、楽しかったですね。医師との関わり、知らない事の吸収、様々な出逢いがあり、飽きる事無く楽しく仕事をしていました。薬剤師として就職していたら経験できないようなことをさせていただきましたね。社会人としての土台もしっかりとできましたしね。10年はどの経験で、大阪、北海道、兵庫でMRに従事していましたが、サラリーマンのしがらみのようなこともあり、自分の思いと反する事も出てきました。そのような気持ちになった時に、薬剤師として活躍することを夢見ていたことを思い出し、薬局業界に飛び込みました。当時は独立することは考えていませんでしたね。

  • 独立開業に至った経緯は?

    薬剤師として経験を積んで、患者様のため、地域のために貢献できればと思って頑張ろうという気持ちが転職したころの気持ちでした。病院門前薬局で、処方せん枚数も多く、重篤な患者様対応も経験し、やりがいを感じながら楽しく仕事をしていましたが、自分が描いていた薬剤師の仕事との違いを感じることが度々ありました。それは、医師との連携によりに、患者様により良い薬局サービスができていないのでは無いかという疑問を感じたことです。ただ薬をお渡しすることが仕事になっていて、患者様の病気を早く治したい、健康の維持向上のためにもっとできることは無いかということ、医師との連携をしっかりと持てる薬剤師になれるにはどうすれば良いかと考えたのが独立のきっかけです。
    勉強会や研修会などに参加することで、様々な意見や考えを持っている方々、経営層や医師との出逢いもありました。そのような中でたくさんの刺激を受けて、現在ご一緒に患者様対応をさせていただいている医師との出逢いにより、薬局を開業することとなりました。

  • 社長の理想となる薬局はどのような姿ですか?

    理想の薬局と聞かれると、答えが見つからないですね。時代の変化が早いため、求められることもどんどん変わってきていると思いますし、薬局業界も速いスピードで変化しています。今は在宅医療が必要とされる時代であり、国全体としても地域包括ケアシステムの取り組みを押し進めています。私も医師との連携を密接にし、患者様の生活環境を見ながら病気の改善、健康維持向上のために在宅医療に力を入れてきました。ただ、これが薬局に求め続けられるのかどうかは解りません。漠然として言えることは、患者様や地域の皆様のニーズに求められていることを探し続けることができる薬局が理想なのかもしれませんね。

  • 患者様のニーズに応えていけるために必要なことは何ですか?

    独立してから強くて感じることは、一緒に働く「人」の大切さです。私と全く同じ考えを持つ必要はないですが、お互いが共感できることを持っていることが必要だと感じています。これまでも、これからも付加価値のサービスを考えいかなければ、薬局運営は成り立たなくなると思います。機会化が進み、AIがなんでもできる時代が来ると思います。しかし、「人」が行うサービスは絶対に無くならないと思っています。
    この「人」ということが、私にとって最大の課題になります。

薬剤師、薬局人材の採用に苦労

「人」が課題とおっしゃる小坂社長。独立して苦労されてきたことは、社長の気持ちに共感してもらえる薬剤師や事務の方々を採用すること、集まっていただくこと。また、浜松市の市街地から少し離れた住宅地で薬局運営をしていることもあり、一緒にこれからの薬局をつくっていく若い人たちと出逢うことに苦労をされてきている。

  • 若手の薬剤師に求めることは何ですか?

    若手の薬剤師や事務の方は、今の時代、そしてこれからの時代の感性を持っています。私では想像ができないアイデアを持っていることが多いと思います。あと何年後かには、薬局業界が様変わりするはずです。国の制度に合わせた薬局活動以外に、自らがサービスを生み、サービスの対価をいただくスタイルが来るはずです。それを作り出すには、時代に合った人たちが考え、患者様や地域の皆様にサービス提供をしていかなければ生き残っていけないように思います。だからこそ、私と同じ考えでなくても良いのですが、一緒に次世代の薬局をつくっていこうと志のある人と仕事をしていきたいと思っています。
    素直で、自発的な薬剤師や薬学生の方と出逢えると嬉しく思っています。

  • 店舗を増やすなどの今後の計画は?

    出店という考えではないですが、在宅医療がここ数年は増え続けていきます。現在でも多くの在宅患者様、医師からのご要望は多くなっているため、在宅専門薬局を開局できればと思っていますが、土地柄もありなかなか薬剤師の採用に苦戦します。地域密着で真剣にこれからのことを考えている保険薬局はたくさんあると思います。私どものどんぐり薬局もその一つです。やれることやりたいことは未知数にあるので、若手のこれかの世代を担う薬剤師の皆さんが目を向けて、飛び込んで来ていただけることを期待しています。

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