まごころを持って人と接し、感謝の気持ちは地域へ還元。
有限会社NFP
代表取締役社長 中川信之
本社:三重県 出店エリア:三重県津市 店舗数:5店舗
創業:2003年 年商:約8億円 従業員:53名(2020年2月現在)
自社と地域医療の発展のため、仕事でもプライベートでも積極的かつ献身的に人と関わる姿が魅力的な中川社長。社員の勤続年数が長いのは、そのお人柄もあってのことだろう。決して無理はしていない自然体な医療や人との関わり方は、長く地域に根ざすための一つの秘訣かもしれない。
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薬局代表になるまでの経緯をお伺いできますでしょうか。
大学卒業後は製薬会社のMRをしていました。次に、OTC医薬品会社の工場の品質管理を7年勤め、その後調剤薬局に勤めました。当時勤務していた薬局の代表が60歳で仕事の区切りをつけたいという思いを持っていたこともあり、1店舗を引き継がないかというお話を頂きました。元々私自身も自分で薬局経営をしたいという気持ちがあったので、店舗を引き継ぐ形で独立し薬局経営を始めました。16年前のことです。その後残りの4店舗も引き継ぐこととなり、現在5店舗を運営しています。責任感と使命感のもと、これからも前向きに一生懸命経営していきたいと思っています。
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店舗と働く社員さんについて教えてください。
5店舗で薬剤師は30名、事務職員を含めると会社全体で53名です。薬剤師は女性の方が多く、男性薬剤師は11人です。私も薬剤師なので店舗に立つこともあります。
応需科目は内科・耳鼻科・歯科・婦人科・皮膚科・小児科・眼科などです。店舗間の薬剤師の移動は基本的にはありませんが、他の科目を勉強したいなどの希望があれば対応します。業務中は1人薬剤師になることはないようにしています。また在宅は全店舗で応需しており、地域密着の薬局なので、その土地の雰囲気を汲んでいけたらと思っています。 -
会社として取り組まれていることは何かありますか?
管理薬剤師会議を年に数回、社内研修を年に2回行っています。また、忘年会にて勤続年数を表彰しています。退職する人は少ない会社です。勤続10年以上の人はそれなりにいますし、中には30年勤めている人もいます。社員が辞めない職場環境であることが何より大事だと思っています。
採用面では新卒の採用活動も行っており、鈴鹿医療科学大学での就職説明会にも参加しています。また国家試験が通らなかった薬学生を対象に、予備校の費用を立て替える制度も設けております。返済の期限はありませんが、返済計画はきちんと自分で立ててもらいます。 -
退職する人が少ないのも、きっと社長のお人柄ですね。
私はあまり細かいことは言わずに社員を見守っています。さまざまな考え方の人がいますし、何か言われて行動するよりも、自分から進んで考え行動する自主性を大事にしたいと思っています。会社を大切にする気持ちがあれば、社員に対しても優しい気持ちが芽生えると思います。
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今後の経営の担い手はいらっしゃいますか?
今は息子を跡取りとして考えています。彼も薬剤師として大学病院に勤めていましたが、去年から弊社で働いています。私とはタイプが違っていて、経営者には時には必要なシビアな一面も持っていると思いますが、社員が53名もいればさまざまな考え方の人がいるので、経営者として社員に対して感受性豊かになってほしいと思っています。彼に引き継ぐまでにしっかりとした会社組織を作ることが、今の私の大きな仕事です。まずは診療報酬に対する行動を考え、今後の社員の給料が少しでも上がるように尽力したいと思います。
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お休みの日は何をしてリフレッシュされていますか?
薬剤師会で研修会、社会貢献活動などのさまざまな活動をしています。薬剤師会の運営の大変さを知っているので、できるだけ協力しています。医師や介護保険認定員など……いろんな人と話すことがとても楽しいです。この立場になれたのも周りの方のおかげだと思っているので、少しでも還元できるように活動していきたいと思っています。