「人生を楽しみたい」
相談の場・人をつくっていきたい。
有限会社仁成堂(山口県)
大谷嘉嗣
本社:山口県 出店エリア:山口県・島根県 店舗数:6店舗
創業:1934年 従業員数:50名
お会いするたびに笑顔で対応してくださる素敵な社長という印象の大谷社長。
「人生を楽しむ」という言葉を使われるのが印象的。患者様やお客様となる地域の方々が、楽しく生活できるようになる事業を考えて薬局運営をされている。もちろんご自身の人生も。薬局の役割を考え続けていらっしゃるが、薬局以外でも地域の皆様のための会社としての役割も考えている大谷社長の思いを聴いてみた。
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これまでのご経歴を教えていただけますか?
将来は、親の跡を継ぐだろうと思って、自然の流れで東京薬科大学に入学し、大学卒業後は大学院にも進みました。その後は、組織を学びたい気持ちが強く大手調剤薬局チェーンに入社し、その後は複数のチェーン薬局の薬剤師を経験してきました。東京から徐々に西へと戻ってきた感じです(笑)。当社に入社したのは、先代から出店の話があったのがきっかけです。広島大学の大学院でマネジメントの勉強している最中の話でした。
大学院では、病院での臨床の場も経験できましたし、社会に出てからは、大手や地域のチェーン薬局の組織や運営、薬剤師の働き方を経験できたことは、今の私を形作ってくれましたね。 -
大谷社長で何代目になりますか?
昭和9年の設立で、長い歴史があります。薬局で考えると祖父の創業から数えて3代目になりますね。薬剤師の免許で考えると4代目ですね。曾祖父は薬剤師でありながら酒造りをしてたんです。私が社長として就いたのは昨年の令和元年です。まだ最近のことです。仁成堂に入社してからは、現場での薬剤師、薬局の立ち上げ、事業承継までたくさんのことを学びましたよ。
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社長は経営志向が強いでしょうか?
どうでしょうね・・・、社長になるという気持ちを持っていたので、勉強をしなければならないですし、薬局運営だけではなく、世間一般的な経営者として必要な経営能力をつけなければならないという考えがあっただけで、経営志向が強いというわけではないと思います。家系的に、商売をしていることもあるから自然にそのような感性になるのかもしれませんね。
ただ、患者様と触れ合うこと、患者様の元気になっていく姿、健康でいらしていただいている姿を見ることができるのは薬剤師としてのやりがいです。現場に立ち続けたい気持ちは強いですよ。現場で患者様対応をし、地域の皆様と触れ合っている時間がすごく楽しいです。どちらかというと、経営志向というよりは現場志向でしょうね。
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高齢者向け宅配弁当サービスも運営されていますね
薬局運営は、地域の皆様に多くのサービスが提供できると思っています。薬での健康維持向上だけでなく、生きるうえで欠かせない「食」を提供し、健康的な生活を送っていただくことも重要です。直接的に薬剤師ができることではないかもしれませんが、食のことも理解しサービス提供することが必要な時代となってきています。薬剤師の職能を広げるということだけでなく、楽しく健康的に生きることを考えてできることやっているって感じですね。薬局の領域を超えて、「人生を楽しむ」ためにできることは実行していきたいと考えています。
日常の中に思いつくことがたくさんあるはずです。高齢者の皆様が楽しく生き続けていけること、地域の皆様が笑顔でいられること、私自身も楽しくいられることなど、いろんなことを思いつくと思います。お役に立てることをこれからも事業展開していきたいですね。 -
どのような薬局づくりを目指していらっしゃいますか
「相談の場、相談できる人」がいる薬局です。当たり前のようなことかもしれませんが、ご近所の方が気軽に立ち寄れる薬局のためには、様々な相談に応えられる薬剤師(人)がいなければならないですし、そのような場づくりをしていかなければなりません。
当社の各薬局は、私がイメージしている薬局になっていると思っていますが、まだまだ足りない点があると思っています。そのために、全従業員が同じ気持ちで仕事ができるように共有の場を持ち、ビジョンを持って活動をしています。 -
ビジョンを持つために、従業員とどのような共有をされていますか?
現場で、私の気持ちを話続けることが大切ですね。お互いに話をすることにより、気持ちの共有が図れます。私が社長に就いてからの思い、気持ちを形に表して伝えていくことも大切と思い、経営理念、経営方針、ビジョンを策定し見える化を順次進めています。ビジョンの中に、「こんな会社にしてみたい、こんな仕事をしていたい」「社員と働く姿やこんな社風をつくりたい」など私の気持ちを盛り込んでいます。そこに共感してくれる仲間を増やしていきたいと思っています。10年後は、島根・山口から県外に出ることも考え、保険外収入を増やしていくこと、従業員が活躍して有名人になってくれること、人気企業になっていることなどを掲げています。
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ビジョンから見えてきますが、どのような薬剤師と働きたいですか
主体性を持って実行に移していくことができる人がいいですね。失敗することもたくさんあります。それを恐れて何もしないのではなく、何事にもチャレンジして欲しいと思っています。そして、私自身もですが、社会を良くすることを忘れず、サービス業として貢献する気持ちを忘れず実行できる仲間と働きたいですね。