優しい気持ちが大切
多角的に事業展開をして安定経営を
株式会社ジェイピー(栃木県)
代表取締役 渡部 智次
本社:栃木県 出店エリア:栃木県、茨城県、福島県、東京都 店舗数:34店舗
設立:1995年 従業員数:240名
保険薬局事業を柱に、関連事業を含めると多事業展開をされている法人。取材のためにご自身の経歴などを書面にしてご用意してくださる気遣いのある優しい社長。そのようなお気持ちの優しい社長の考えや生き方の軸、これからの展開について聞いてみた。
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独立、会社設立までの経緯を教えていただけますか?
薬剤師でもなく、ただのサラリーマンでしたよ(笑)。検査センターの会社で勤めていたのですが、北関東を中心に営業所の立ち上げに関わりながら、単身でいろいろと飛び回っていましたね。多くの医療機関や医師の方々と知り合うことができました。そのような中で、医師不足などに直面している病院に医師をご紹介することがあり、ご紹介したことがきっかけで病院が大きく発展することとなり、喜んでいただけたました。このことがきっかけで、病院が分業することを考えていらした時に、薬局を運営してみないかと声をかけていただき、これが独立の転機となりました。
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独立のきっかけをいただく以前から独立志向はありましたか?
若い時から独立志向はありましたね。実家が商売をしていたこともありDNAが引き継がれているのかもしれませんね。サラリーマン生活が嫌いだとか、嫌なことがあったということは全くなく、心の中ではいつか起業しようという気持ちがあって、先ほど話したようなきっかけが大きな転機となりましたね。
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起業するにあたって、どのような事業でもよかったのでしょうか?
どのような事業でもよかったといえば、そうなのかもしれませんね。もちろん、調剤薬局に思いが無いということでは無いですよ。地域や誰かのためになること、医食住に関わるようなことなどであれば、事業としてやっていければと思っていましたね。調剤薬局事業以外にも多角的に経営を考えていたこともあり、社名を「ジャパンファーマシー」とせず「ジェイピー」としたんですよ(笑)。
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事業としてやりたかったことは、今年開業された「日光ランドマーク」ですか?
そうですね、地域の皆さんが、気楽に立ち寄れる場所を提供できたことが嬉しいです。この商業施設をつくることにより、周囲の商店、医療機関、そして当社の薬局にも良い影響を与えることができたと思っています。
コロナ感染症の影響もあり、観光客が日光方面に出向かなくなったのは残念ですが、近隣の幼稚園の皆さんに貸し切りで観覧車に乗ってもらったり、子供たちに喜んでいただいています。 -
ここまで順調に事業展開されていますが、ご苦労はどのようなことがありましたか?
人材の確保ですよ。薬剤師を採用することに苦労しました。専門職となると、どのような業界でも同じような苦労をされていますよ。検査センターの時代も同じでした。検査技師を採用することにかなり苦労しましたからね。人がいなければ会社は動かないですし、薬剤師がいなければ薬局は運営できません。採用に苦労しながらここまできました。おかげさまで、退職者がほとんど出ずに今に至っています。
あとは、制度ビジネスの中で事業をしている苦労ですよね。報酬点数の引き下げが続いていくことで、それに合わせた経営を考えていかなければならないですからね。そのために、他業種展開をしながら、従業員を守ってきています。 -
出店など規模拡大がしにくい時代ですが、この先はどのようにお考えですか?
もちろん、良い話があれば出店もします。ただ、店舗数を増やすことが目的ではなく、利益が上げられる店舗を増やしていくことですね。従業員が安心して生活できるようにするには、安定した収入が必要。そのために必要な出店はしていかなければならないですからね。地域に根ざした堅実な経営を考えながら、出店も事業展開もしていきたいですね。堅実経営が私の考えですが、守りの姿勢が堅実経営ではなく今の状況を確認しながら攻めていくことが必要です。攻めていかないと従業員、会社を守りきれないからね。
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社長の話をお聴きしているとポジティブでバイタリティに溢れてますね
そりゃそうだよ。前向きにやっていかないと楽しくないし、会社の経営も良くならないしね。それと、優しい気持ちを忘れずに生きていかないとダメだね。当社の事業は優しさがないと続けられないし、良い仕事ができないしね。優しさと強さを兼ね備えて前に進んでいくことですね。
このような気持ちでいれば、良い薬剤師や従業員が集まります。私の気持ちは、会社の理念や考えになり、従業員に浸透していきますので、自然と働きやすい環境になり、退職者が出なくなります。ジェイピーは、優しさや強さが詰まった会社ですよ。