5年で薬局を任せられる薬剤師に
競争よりも着実な薬局運営と展開
野間薬局グループ(福岡県)
代表取締役 菅 道文
本社:福岡県 出店エリア:福岡県 店舗数:34店舗
設立:1979年 従業員数:240名
福岡市内で若手薬剤師の育成、できる薬剤師が多いと定評のある野間薬局。少し固そうな印象のある薬局の社長は、微笑ましく優しいお人柄。地域薬局としてここまで成長してきた社長の考えやお人柄を探るインタビューをしてみた。
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社長は2代目になるのでしょうか?
野間の地に3店舗の薬局を母が経営していたのですが、そこを引き継ぎここまでやってきました。実は最初農学部を卒業して銀行に就職しました。その時に自分のしたい事と現実のギャップを感じていました。母の薬局に寄った時に患者さんが「ありがとう」と言っている光景を見て「ありがとう」と言われる職業がいいなと思い薬学部に行きなおしました。
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薬剤師の資格を取得されて、すぐに野間薬局で勤められたのですか?
病院で半年間ほど修行というか調剤を学び、野間薬局に入社しました。母の後継は、自分が経営をしていくことは決めていたので、自然の流れです。あまり大した経歴はありませんよ(笑)。
会社を受け継いでから、野間薬局としての店舗展開とJ-FRONT株式会社を設立、そして独立支援店として店舗展開を進めていきました。 -
店舗展開を福岡市内で勢いよくされていますが、どのようにされているのですか?
開業したいDRのお世話をしていたら自然に増えてきました。既に開業のお世話をしたDRの同僚や後輩からも開業の相談を受けるようになり、一生懸命お手伝いをしている感じです。開業のお世話は趣味の世界みたいな感じになっています。またそれに伴い建築の時から関わっているので薬剤師が働きやすく頑張りやすい環境(薬局)を作ることができます。
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これからはどのようにお考えですか?
ビジョンは何か?とよく聞かれますが、ビジョンがあるわけではく、今やれることをやり続けるしかないよね。私の考えは、ブルーオーシャンです。誰もがやっているところに戦いに行くことはせずに、誰もがやっていないところで戦っていくこと。自分ができることを地道にやっていけば結果が残せるからね。それでも、一人ではやりきれなくなってくるから大変。組織にして専門部署に任せていきたいけど、そのような体制を当社は作ってないしね。薬剤師が独立できるように育てることが使命かな(笑)。会社が大きくなるということ=店舗が増えることとは考えてないけど、店舗開発して良い薬剤師を輩出できれば良いかな。
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薬学部の新卒者から就職先として人気ですね
インターンシップを毎日のように開催しているし、たくさんの学生と会える機会はたくさんありますよ。私一人でしているのでなかなか数をこなせませんが(笑)。そろそろ薬 局側が薬学生を選ぶ時代になると思っているのですが。当社のようなローカ ウンターでの服薬指導を行う薬局は、対話重視ですし、患者様のことを理解 し信頼関係を構築できる薬剤師でないと通用しないので、本気で野間薬局で 薬剤師として成長をしたいという人でないと難しいかもしれません。採用は しっかりと面接し、その方の特性を見て判断しているので、嬉しいことに退 職者はほとんど出ません。そういう意味では、良い会社で人気のある就職先 としてみてもらえてれば良いかなぁと思っています 。
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社長は、薬剤師が軸なのかビジネスが軸なのか、どちらですか?
どっちだろうね。自分でもよくわからないなぁ。経営に関することも全てやるし、薬剤師の育成にはしっかりと対応するし、5年で独立できる力のある薬剤師を育てていきたいしね。昼間は、薬剤師として店舗に回って従業員の様子を見たり、店舗開発の仕事で人と会ったり、新卒採用活動をしているし、夜になったら経営者としてクリニックの開業に向けての土地探しを考えたりといろんなことをしているよ。従業員を守ることが軸だから、そのためならどちらの顔も持って仕事をしているかなぁ(笑)。